気まぐれな母を象徴するように 毎回味の違う肉じゃが
UFOか飛行機かヘリか ひとしきり揉めて ラーメン食べて帰った
楽しみはいろいろあって結局は 炊飯器開ける瞬間がすき
水温む二日連続カップ麺
青春が終わりそう秋夕焼追う
電灯がぽつりぽつりと夏季講習
ワケありの値下げシールを 見るたびに 個性を見失いそうだだだ
虫捕りの時も秘密基地の時も 一応不法侵入だった
死ぬ時は俯せがいいつくつくし
チューリップ 誰かとお揃いだったはず
がたんごとん 知らない人に挟まれて 普通に本を読んでる不思議
半年でするり心に入り込む サカナクションが好きな先生
ぽんと出たワードを 指で折ってみて ぴったりのとき私は歌人
将来の不安について語らった時の 青春みたいな後味
靴下に穴が開いていて私 足の先から消えてくみたい
ガンジーになりたい なれないのはきっと まだ十七の思春期のせい
自分だけ不幸みたいな顔をして ゼロカロリーのコーラいっきに
初空の世界に素手で触れてみる
足音がひとりぶんなのさみしくて ひたひた走る補講のマラソン
タンスから引っ張ってきた コートには 中吉のおみくじが住んでた
日常を日常のまま消費して ベテルギウスの爆発を待つ
五年前の私みたいな顔をして 人体模型が隅っこにある
喉仏の解説で へぇと一斉に言う 課外授業みたいな納骨
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